☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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2003年5月

 

 

目次

Onepoint 所得税の税額公示制度

設備投資減税

使用人兼務役員の報酬等

転籍者への退職金

★税金一口メモ★ 死亡金

ワンポイント 所得税の税額公示制度
 
毎年、5月16日〜31日までの間、高額納税者が税務署で公示されます。所得税法の規定に基づき、所得税額が1千万円を超える者については、氏名、住所、所得税額を公示するという制度です。第三者による監視という牽制効果が制度の目的ですが、プライバシーの問題もあり、政府税調では、廃止を含め検討しています。


 設備投資減税

 平成15年度税制改正では、景気刺激の面で各種の設備投資減税が設けられています。
以下主な制度のポイントを整理してみます。

 

1.中小企業の小額減価償却資産の
        取得価額の損金算入特例の創設

 中小企業者等が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に、取得価額が、30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、取得価額の全額を損金算入することができます。
 なお、対象とされる設備等は限定されていませんので、減価償却資産であればすべて対象と考えられます。
 さらに、取得した事業年度に損金算入することができます。

2.IT投資促進税制の創設

1)概要

 この制度は、平成15年1月1日から平成18年3月31日までの間に次の図表1のIT関連設備等を取得して事業の用に供した場合に、取得価額の10%を法人税額から控除する税額控除と取得価額の50%相当額の特別償却のどちらかを選択で適用するものです。
 また、資本金3億円以下の法人について、図表1の設備等をリースによって借り受けた場合にもリース費用総額の60%相当額について10%の税額控除の適用を受けることができます。
 なお、税額控除額は、適用を受けようとする年度の法人税額の20%相当額が上限とされますが、控除しきれない場合には一年間の繰越しができます。

図表1

@ 電子計算機 E インターネット電話設備
A デジタル複写機 F ルーター・スイッチ
B ファクシミリ G デジタル回線接続装置
C ICカード利用設備 H ソフトウェア
D デジタル放送受信設備

2)取得価額要件

 図表1の対象資産について、税額控除か特別償却の適用を受けるためには、図表2の取得価額要件を満たす必要があります。

図表2

ソフトウェアを除く対象設備

ソフトウェア
適用を受けようとする事業年度において対象設備の取得価額の合計額が600万円以上(資本金3億円以下の法人は140万円以上)であること。

(注)1種類の設備だけ600万円以上あるいは140万円以上である必要はなく、複数の設備の合計金額で判断します。

適用を受けようとする事業年度において取得したソフトウェアの取得価額の合計額が600万円以上であること(資本金3億円以下の法人は70万円以上)であること。

3)リース税額控除

 資本金3億円以下の法人が、対象設備をリースで借り受けて事業の用に供した場合にも税額控除の適用がありますが、リース期間が4年以上でその資産の法定耐用年数を超えないことおよび図表3の金額基準を満たすことが必要です。
税額控除対象額はリース費用総額の60%相当額でその10%相当額が税額控除額です。

図表3

ソフトウェアを除く対象設備

ソフトウェア
適用を受けようとする事業年度において新たにリースをした対象設備のリース費用の総額の合計額が200万円以上であること。

(注)1種類の設備だけ200万円以上である必要はなく、複数の設備のリース費用総額の合計額で判断します。

適用を受けようとする事業年度において新たにリースしたソフトウェアのリース費用の総額の合計額が100万円以上であること。


3.開発研究用設備の特別償却制度の創設

1)概要

 平成15年1月1日から平成18年3月31日までの間に一定の開発研究用設備を取得して、それを国内で開発研究の用に供した場合には、その取得価額の50%相当額の特別償却を行うことができます。
 なお、現行の取扱いでは開発研究とは、次の試験研究をいいます。

@ 新規原理の発見又は新規製品の発明のための研究

A 新規製品の製造、製造工程の創設又は未利用資源の活用方法の研究

B @又はAの研究を基礎とし、これらの研究の成果を企業化するためのデータの収集

C 現に企業化されている製造方法その他の生産技術の著しい改善のための研究

2)対象設備

 対象設備は、開発研究に専用されるもので、図表4に該当し、取得価額が280万円以上のものです。

 

図表4

種類 細目
器具及び備品 ・試験又は測定機器、撮影機及び顕微鏡
機械及び装備 ・汎用ポンプ、汎用モーター、汎用金属工作機械、汎用金属加工機械
  その他これらに類するもの

・その他のもの

 


使用人兼務役員の報酬

 

Q.
 
過大な役員報酬の損金不算入や役員賞与の損金不算入の規定について、使用人兼務役員の場合には、特例があるそうですが、どのような内容なのでしょうか。

 

A.
 法人税法上は、役員報酬のうち不相当に高額な部分の金額(過大な役員報酬)は、損金不算入とされています。
 不相当に高額かどうかの判定は、実質基準および形式基準によって行われることになりますが、使用人兼務役員については、使用人としての職務に対する報酬も含めて判定することとされています。
 また、役員に対する賞与についても、損金に算入されません。
 しかし、使用人兼務役員に対する賞与については、他の使用人に対して賞与を支給する時期に支給する場合には、使用人としての職務に対する部分は、損金に算入されることになります。
 これらの場合において、使用人兼務役員の使用人分の報酬や使用人分の賞与の適正額については、その使用人兼務役員が現に従事している使用人の職務とおおむね類似する職務に従事する使用人がいる場合には、その使用人に対して支給した給料や賞与の額に相当する金額は、原則として、これを使用人分の報酬、賞与として相当な金額とされます。
 なお、その給料や賞与の額が特別の事情によって他の使用人と比べて著しく多額なものである場合には、その特別の事情がないものと仮定したときに通常支給される額となります。
 また、当該使用人兼務役員が現に従事している使用人の職務の内容等からみて比準すべき使用人として適当とする者がいないときは、当該使用人兼務役員が役員となる直前に受けていた給料の額、その後のべースアップ等の状況、使用人のうち最上位にある者に対して支給した給料の額等を参酌して適正に見積もった金額によることができることとされています。

 


転籍者への退職金

 

 リストラの一環として転籍が行われる場合があります。転籍者に対する退職金について、転籍前の法人における在職年数を通算して支給することとしている場合には、転籍前の法人および転籍後の法人がその転籍者に対して支給した退職金については、それぞれの法人における退職金とします。
 この場合、相手方の法人を経由して支給したときでも同様に取り扱われます。
 ただし、転籍前の法人および転籍後の法人が支給した退職金について、他の使用人に対する退職金の支給状況、それぞれの法人における在職期間等からみて明らかに相手方である法人の支給すべき退職金全部または一部を負担したものと認められるものがあるときは、その負担したと認められる部分の金額は、相手方である法人に贈与したものとされますので、注意する必要があります。

 

 

税金一口メモ
 死亡弔慰金

 被相続人が死亡した場合に、遺族等が受け取る弔慰金や花輪代、葬祭料などについては、通常は相続税の課税対象にはなりません。ただし、被相続人の雇用主等から弔慰金などの名目で受け取った金銭などのうち、実質的にみて退職手当金等に該出すると認められる部分については、相続税の課税対象となります。
また、それ以外の部分については、次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額としてその金額を超える部分に相当する金額は退職手当金等として取り扱います。

@被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、死亡当時の普通給与の3年分に相当する額

A被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、死亡当時の普通給与の半年分に相当する額

 

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