☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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1999年12月

12月の税務と労務

国税 給与所得の年末調整 本年最後の給与を支払う時
国税 給与所得者の扶養控除等異動申告書
及び保険料控除申告書の提出
本年最後の給与を支払う前日
国税 11月分源泉所得税の納付 12月10日
国税 10月決算法人の確定申告(法人税・消費税等) 1月4日
国税 4月決算法人の中間申告 1月4日
国税 1月、4月、7月決算法人の消費税等の中間申告 1月4日
地方税 固定資産税・都市計画税(第3期分)の納付 市町村の条例で定める日
労務 健康保険・厚生年金保険賞与等支払届 支払後5日

ワンポイント グリーン化税制
 燃費や大気汚染物質の排出量を基準にして、自動車税を課税しようというもので地球温暖化の防止、環境保護の観点から政府で検討しています。一般的に大型車では燃費が悪く排気ガスも多く排出するため増税に、軽自動車では減税となります。今後の税制改正論議の中でとりあげられます。

 
年末調整ポイント 今年は恒久的減税があります

 


 年末調整を行う時期となりました。
「年末調整」は給与の支払いを受ける1人1人について、毎月の給与や賞与などの支払の際に源泉徴収した税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算するもので、給与の源泉徴収の総決算といえます。
 大多数の給与所得者は、この年末調整によってその年の所得税の納税が完了し、改めて確定申告をする必要はありません。以下のQ&Aで年末調整のポイントを整理します。

1 11年の改正点

 平成11年度の税制改正で、年末調整に関係するものは何かありますか。 

A (1)定率減税の実施 
 平成11年以後の各年分の所得税額の20%相当額が減税となります。ただし、この20%相当額が25万円を超える場合には、25万円が限度となります。
(2)扶養控除額の加算
 次の控除額がそれぞれ次のように引き上げられています。

 

区    分

改正前

平成11年分






特定扶養親族
(年齢16歳以上23歳未満)

58万円

63万円
年齢16歳未満の扶養親族

38万円

48万円
その他の一般扶養親族

38万円

38万円

(参考)平成11年以後の各年分の所得税の最高税率が、次のように引き下げられています(住民税と合計で50%となっています)

 

改正前
(所得税法)

改正後
(負担軽減措置法)
適用課税所得3,000万円超の金額
            50%
適用課税所得1,800万円超の金額
            37%

2 年末調整の対象者

 年末調整の対象となるのはどのような人ですか。 

A 年末調整の対象となるかどうかは表1のとおりです。なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が前提となりますので、必ず提出をしてもらいましょう。

表1 年末調整対象者の選別(例)

年末調整の対象者となる人

年末調整者の対象者とならない人
次のいずれかに該当する人
(1) 1年間を通じて勤務している人
(2) 年の中途で退職し、年末まで勤務している人
(3) 年の途中で退職した人のうち、次の人
 @ 死亡により退職した人
 A 著しい心身の障害のため退職した人 で、その退職の時期からみて、本年度中に再就職できないと見込まれる人
左欄に掲げる人のうち、次のいずれかに該当する人
(1) 本年度中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人
(2) 2か所以上から給与の支払を受けている人で、他の給与の支払者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人(月額表または日額表の乙欄適用者)

3 保険料控除のチェック

 保険料控除で必要なものはなんでしょうか。

A 生命保険料と損害保険料については、原則として控除証明書添付の「保険料控除申告書」を提出してもらい、これに基づいて控除額を計算します(表2)。

表2 保険料控除額一覧表
【社会保険料控除額】
支払った又は給与から控除された社会保険料の合計額
【小規模企業共済等掛金控除額】
中小企業総合事業団に支払った共済掛金(旧第二種共済掛金は生命保険料控除の対象)と心身障害者扶養共済掛金との合計額
【生命保険料控除額】
次の@とAの合計額(最高10万円)
@ 一般の生命保険料(次の個人年金保険料を除く)を支払った場合
 イ 25,000円までの場合
 ロ 25,000円を超え50,000円までの場合
 ハ 50,000円を超え100,000円までの場合
 ニ 100,000円を超える場合
…支払った保険料の全額
…支払保険料×1/2+12,500円
…支払保険料×1/4+25,000円
…50,000円

A 個人年金保険料(疾病等特約部分を除く)を支払った場合
   上記@のイ〜ニの区分に応ずる算式により計算した金額

損害保険料控除額】
長期損害保険契約の支払保険料
@10,000円までの場合
         …支払い保険料の全額
A10,000円を超える場合
  …支払保険料かける1/2+5,000円
              (最高15,000円)

+
短期損害保険契約の支払保険料
@2,000円までの場合
         …支払保険料の全額
A2,000円を超える場合
   …支払保険料×1/2+1,000円
             (最高3,000円)

※長期と短期の両方の控除額がある場合は、その合計額(最高15,000円)

4 人的控除のチェック

 扶養控除など人的控除での注意点はどこですか。 

A 人的控除は、特に間違いやすいところなので、表3を利用してミスのないようにして下さい。

表3 人的控除額一覧表
障害者控除額 障害者1人につき…270,000円 特別障害者1人につき…400,000円
老年者控除額

500,000円

※老年者とは
{年齢65歳以上}
{ 昭和10.1.1以前生まれで、所得金額の合計額(繰越損失控除前)が1,000万円以下の者をいう。
寡婦(寡夫)控除額

270,000円 (特定の寡婦は、350,000円)
勤労学生控除額

270,000円





 

同居特別障害者である人

左記以外の人

一般の控除対象配偶者

730,000円

380,000円

老人控除対象配偶者

830,000円

480,000円

※ 控除対象配偶者、扶養親族…生計を一にする配偶者その他の親族、都道府県知事から教育を委託された児童(いわゆる里子)及び養護老人のうち、所得金額の合計額(繰越損失控除前)が38万円以下の者(青色事業専従者又は白色事業専従者を除く)。
※ 特定扶養親族…扶養親族のうち、昭和52年1月2日から昭和59年1月1日までの間に生まれた者(年齢16歳以上23歳未満の者)。
※ 老人控除対象配偶者、老人扶養親族…昭和5.1.1以前生まれ(年齢70歳以上)の控除対象配偶者、扶養親族。
※ 同居特別障害者…控除対象配偶者や扶養親族が、特別障害者に該当し、かつ、その者が納税者又は納税者と生計を一にする親族のいずれかと同居を常況としている者をいう。
※ 同居老親等…老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系尊属で、納税者又はその配偶者のいずれかと同居を常況としている者。
配偶者特別控除 原則として配偶者の収入が141万円未満の人が対象になる




同居特別障害者である人
(各1人につき)

左記以外の人
(各1人につき)

一般の扶養親族

730,000円

380,000円

16歳未満の扶養親族

830,000円

480,000円

特定扶養親族

980,000円

630,000円






同居老親等
以外の者

830,000円

480,000円

同居老親等

930,000円

580,000円

基礎控除額

380,000円

5 その他のチェック項目

 その他にはどのような点に注意したらよいでしょうか。


(1)配偶者特別控除
 @所得者本人の平成11年分の所得金額の合計額が1千万円を超える場合、配偶者特別控除はできません。
 A配偶者が青色事業専従者として給与の支払を受けるもの又は白色事業専従者に該当する場合は適用できません。
(2)住宅ローン控除
平成11年から住宅ローン控除制度が拡充していますが、適用を受ける最初の年分については確定申告によらなければなりません。その後の年分については、年末調整の際に、各人から提出された「給与所得者の住宅ローン控除申告書」に基づいて控除ができるようになっています。
 なお、控除を受けるには借入れ等を行った金融機関が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が必要となります。

 
相続税・贈与税 財産評価の改正

 

 相続税・贈与税を申告する場合の財産評価の方法が一部改正されたと聞きましたが、どのような内容なのでしょうか。 

 相続税・贈与税を申告する場合の財産評価の基礎となる財産評価基本通達の改正が行われています。この改正は、原則として平成11年1月1日以降の相続・贈与に適用され主な内容は次のとおりです。
@ 不整形地の評価
 不整形地については、不整形地補正率表に基づく補正率により評価するよう改正されました。なお、補正率による減額は最大40%(従来は30%)となります。
A 無道路地の評価
 不整形地としての価額から建築基準法の接道義務によって最低限必要とされる通路に相当する金額を控除(最大40%減額)して評価するよう改正されました。
B 私道の評価
 私道(特定の者が通行するもの)の評価割合が30%(従来は60%)に改正されました。
C 貸家建付地の評価
 貸家建付地の評価において、空室が一時的である場合には賃貸されているものとして評価するように改正されました。
D 財産評価に適用する年利率
 年利率を用いて評価する財産(特許権、著作権など)について、適用する基準年利率が4.5%(従来は8%)に改正されました。
 なお、この改正は平成11年9月1日以降の相続等に適用されます。
E 取引相場のない株式の評価
 取引相場のない株式の評価を純資産価額方式で行う場合、評価差額に対する法人税等相当額を計算する際の割合が42%(平成10年3月31までは51%、平成10年4月1日以降は47%)に改正されました。
 なお、この改正は平成11年4月1日以降の相続等に適用されます。

 

 
海外渡航の同伴者

 

 法人の役員が、法人の業務の遂行上必要と認められる海外渡航に際し、その親族またはその業務に常時従事していないものを同伴した場合に、その同伴者の旅費を法人が負担したときは、その旅費はその役員に対する給与とされます。
 ただし、その同伴者が、次の場合のように明らかにその海外渡航の目的を達するために必要な同伴と認められるときは、その旅行について通常必要と認められる費用の額は、法人の費用として処理することができます。
@ その役員が常時補佐を必要とする身体障害者であるため、補佐人を同伴する場合
A 国際会議への出席等のために、配偶者を同伴する必要がある場合
B その旅行の目的を達するため、外国語に堪能な者または高度に専門的知識を有するものを必要とするような場合に、適任者が法人の使用人のうちにいないため、その役員の親族等を同伴するとき

 

税金一口メモ
 相続財産に占める土地割合

 国税庁が発表した平成9年度分の相続税の課税状況によると、平成9年中に相続または遺贈によって財産を取得した者(平成10年10月31日までに申告書が提出されたもの)の財産の取得価格の合計額は、15兆2,456億円となっています。
 この課税価格を財産の種類別にみてみると、あいかわらず土地等がトップで、10兆1,778億円、相続財産に占める割合は66.8%となっています。
 しかしながら、平成8年分と比較すると土地等の課税価格は地価の下落を反映し、4,000億円減少しています。また、相続財産に占める土地等の割合も、平成8年分の68.3%から1.5ポイント下がっています。

 

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