☆ 祖父江修一税理士事務所 ☆

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1999年8月

8月の税務と労務
国税 7月分源泉所得税の納付 8月10日
国税 6月決算法人の確定申告(法人税・消費税等) 8月31日
国税 12月決算法人の中間申告 8月31日
国税 9月、12月、3月決算法人の消費税等の中間申告 8月31日
国税 個人事業者の消費税等の中間申告 8月31日
地方税 特別土地保有税の申告・納付 8月31日
地方税 個人事業税第一期分の納付 都道府県の条例で定める日
地方税 個人住民税第2期分の納付 都道府県の条例で定める日
労務 社会保険の報酬月額算定基礎届 8月31日
労務 労働保険料第2期分の納付 8月31日


ワンポイント 未払い賃金の立替払い
 
賃金が未払いのまま倒産した企業の労働者に対し、国が未払い賃金を立て替える制度で、労働福祉事業のひとつ。立替額は未払い賃金総額の80%ですが、未払い賃金総額には上限があり、445歳以上の170万円が最高です。景気低迷による倒産の急増を反映し、昨年度の立替額は過去最高の173億円に上っています。

 
企業を支援する税制

 


 平成11年度の税制改正の中には事業活動を支援するための施策
が数多く設けられています。主なものについて以下説明します。

 
1.事業用宅地の相続税の減額

(特定事業用小規模宅地に係る相続税の課税価格の計算の特例)

(1) 従来の制度
 この制度は、個人が相続等により取得した財産のうちに、被相続人の事業用または居住用の宅地があるときは、宅地のうち 200平方メートルまでの小規模宅地部分について相続税を減額しようというものです。
 減額割合は、特定居住用宅地等、特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び国営事業用宅地等が80%、これ以外の小規模宅地等については50%です。

(2) 改正の内容
 特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び国営事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例については、適用対象面積が330平方メートルまでの部分(改正前200平方メートル)に拡大されています。
(注)特定居住用宅地等は、改正されていないことと、貸地や貸家建付地は従来通りの取扱いですので注意して下さい。

(3) 改正の趣旨
 従来の200平方メートルは全国の平均的居住用宅地面積から決められていましたが、全国の平均的事業用地は
三四〇平方メートル(中小企業庁調べ)であることから、事業用地についてのみ、対象面積の拡大が図られたものです。

(4) 適用時期
 平成11年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用されます。

(5) 特定事業用宅地と特定居住用宅地の按分計算
 従来の制度では、事業用でも居住用でも小規模宅地としての対象面積は同じでしたが、改正により、対象面積が異なった
ことから、事業用と居住用両方の宅地がある場合には適用対象面積について次の設例のように調整します。

(説例)
[ケース1]特定事業用宅地264uと特定居住用宅地100uの両方を有する場合で、特定事業用宅地を優先的に選択する場合の調整方法

特定事業用宅地は330u以内であるので264uの全部が選択可能。
特定居住用宅地については、次の算式により計算される面積の部分について、選択可能。
200u-〔264u×200u/330u〕=40u
小規模宅地特例の適用対象面積   特例事業用宅地   264u
                       特定居住用宅地    40u

[ケース2]特定事業用宅地264uと特定居住用宅地100uの両方を有する場合で、特定居住用宅地を優先的に選択する場合の調整方法 

特定居住用宅地は200u以内であるので100uの全部が選択可能。
特定事業用宅地については、次の算式により計算される面積までの部分について、選択可能。
330u-〔100u×330u/200u〕=165u 
小規模宅地特例の適用対象面積   特例事業用宅地   165u
                       特定居住用宅地   100u   

 
2.新設企業には欠損金の繰戻還付

(新規事業創出促進法)
 わが国の経済発展を考えた場合、新規の事業を創出していくことが極めて重要との観点から、個人による創業及び新たに
企業を設立して行う事業を直接支援するとともに、中小企業者の新技術を利用した事業活動を促進するために設けられています。

(1) 創業等
 次の3つがこの法律で「創業等」とされます。
@ 事業を営んでいない個人が新たに事業を開始すること
A 事業を営んでいない個人が新たに会社を設立し、その新たに設立された会社が事業を開始すること
B 会社が自らの事業の全部又は一部を継続して実施しつつ、新たに会社を設立し、その新たに設立された会社が事業を開始すること

(2) 中小企業者
 業種により資本金と従業員の数が一定規模以下のもの

(3) 支援措置
 次のようなものがあります。
@ 設立後5年以内の中小企業者の欠揖金額について、前1年間の繰戻還付
A 負担金の揖金算入
B 高度技術工業を営む法人の機械等の特別償却
C 登録免許税の軽減措置

 
3.低金利と優遇税制

(中小企業経営革新支援法)
 一定の計画につき承認を受けると優遇税制のみならず、低利融資等も受けられるので注目したいものです。

(1) 一定の計画の提出・承認が条件
 優遇措置を受けるには、次のいずれかの計画を所管の役所に提出し、承認を受けるという手続が必要になリます。
@ 経営革新計画
 計画の提出先は企業が所在する都道府県の知事です。
A 経営基盤強化計画
 計画書の提出先は通産省又は業種を所管する省庁の大臣です。

(2) 支援措置
 「経営革新計画」と「経常基盤強化計画」のいずれについて所管の役所に提出し、承認を受けているかにより次のように内容が異なります。

経営革新計画による場合
@ 中小企業金融公庫等に よる低利融資制度
 設備資金・長期運転資金が対象
A 高度化融資制度
 無利子融資があります。
B 信用保険の特例
 軽減措置があります。
C 優遇税制
  イ 設備投資減税(7%税額控除又は30%特別償却)
  ロ 欠揖金繰戻還付
  ハ 特別土地保有税非課税
D 補助金の支給
 特に他の中小企業者のモデルとなるような新商品・サービス開発、人材育成、販路開拓等をしたものに補助金が支給されます。

経営基盤強化計画による場合
 経営革新計画とほぼ同様ですが、高度化融資制度と補助金の支給はありません。

 
退職所得の受給に関する申告書

 


 退職手当の支給を受ける人は、退職手当等の支払を受けることとなった年月日や退職の区分等などを記載した「退職所得の受給に関する申告書」を、退職手当の支払者を経由して納税地の所轄税務署長へ提出することになっています。
 その際、その年中に他にも退職手当の支払いを受けている場合には、その退職手当についての「退職所得の源泉徴収票」を添付する必要があリます。
 この申告書を提出すると、退職所得控除額が算定され、それに基づいて計算した金額が源泉徴収されることになリます。
 また、この申告書を提出しないと、退職手当として支払いを受ける金額の20%に相当する金額が源泉徴収されることになり、この場合は本人が確定申告により精算することになリます。
 なお、この申告書は、1枚の用紙で住民税の「退職所得申告書」と兼用できるようになっています。

 

税金一口メモ
 陳腐化資産の償却

 減価償却資産が技術の進歩その他の理由により、著しく陳腐化したため、その資産の使用可能期間が耐用年数に比較して10%程度以上短くなった場合には、国税局長の承認を受けて、承認された使用可能期間を基礎として、過去の償却費の額を一時償却により損金処理することができます。
 「陳腐化資産の償却限度額の特例の承認申請書」は、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長へ提出します。
 その際には、「承認を受けようとする使用可能期間の算定の明細書」、申請の日の属する事業年度の直前の事業年度の営業報告書、法人税確定申告書の別表16(減価償却資産の償却額の計算に関する明細書)の写しなどを添付する必要があります。 

 

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