■償却資産申告のポイント--21年1月号 -2009年1月6日 |
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1月の税務と労務
国 税/給与所得者の扶養控除等申告書の提出
本年最初の給与支払日の前日
国 税/報酬、料金、地代、家賃等の支払調書
の提出 2月2日
国 税/源泉徴収票の交付、提出 2月2日
国 税/12月分源泉所得税の納付 ( 納期特例
を受けている事業所は7〜12月分 )
1月13日
上記の納期の特例適用者で、納期限の
特例に関する届出書を提出している
場合 1月20日
国 税/11月決算法人の確定申告
( 法人税 ・ 消費税等 ) 2月2日
国 税/5月決算法人の中間申告 2月2日
国 税/2月、5月、8月決算法人の消費税の
中間申告 ( 年3回の場合 ) 2月2日
地方税/固定資産税の償却資産に関する申告
2月2日
地方税/給与支払報告書の提出 2月2日
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〜 ワンポイント 〜 不服申立制度の見直し
現在、国会で審議中の行政不服審査法の見直しに伴い、国税の不服申立制度も見直される予定です。
不服申立期間を税務署等の処分があったことを知った日から3月以内 ( 現行2月以内
) に延長、再調査
請求 ( 現行の 「 異議申立 」 ) の決定を経ずに審査請求できる期間を2月
( 現行3月 ) に短縮、等の
内容となっています。
償却資産申告のポイント
1月は固定資産税の対象となる償却資産について、償却資産申告書をその資産の所在する各市町村へ
提出することが事業者に義務付けられています。その際のポイントを整理してみます。
「 1 」 申告すべき資産
平成21年1月1日現在において現存する事業用償却資産 ( 他に貸し付けているものを含む
) について
申告します。
固定資産税における償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その
減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費
に算入されるものをいいます。
なお、 「 事業の用に供する 」 とは、必ずしも所有者がその償却資産を自己の営む事業のために使用する
場合だけでなく、事業として他人に貸し付ける場合等においても、償却資産に該当することになります。
( 1 ) 次のような資産でも事業の用に供することができる状態であれば、申告の対象となります。
@ 簿外資産 ( 償却済資産を含む )
A 建設仮勘定で経理されている資産
B 耐用年数を経過し、減価償却を終えた資産
C 遊休資産 ( いつでも稼働できる状態にある資産 )
D 未稼働資産 ( 未だに稼働していないが、すでに完成している資産
)
( 2 ) 少額の減価償却資産の取扱い
図表1のようになります。
図表 1
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取得価額 |
国税の取扱い |
固定資産税
(償却資産)の取扱い |
個人の場合 |
10万円未満 |
必要経費 |
申告対象外 |
10万円以上
20万円未満 |
3年間一括償却 |
申告対象外 |
減価償却 |
申告対象 |
20万円以上 |
減価償却 |
申告対象 |
法人の場合 . |
10万円未満 |
損金算入 |
申告対象外 |
3年間一括償却 |
申告対象外 |
減価償却 |
申告対象 |
10万円以上
20万円未満 |
3年間一括償却 |
申告対象外 |
減価償却 |
申告対象 |
20万円以上 . |
減価償却 . |
申告対象 . |
※ 「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例制度」により
30万円未満の減価償却資産を必要経費又は全額損金算入した場合は、申告対象となります。
( 3 ) 申告の対象とならないもの
@ 自動車税、軽自動車税の課税対象となるもの
A 無形減価償却資産 ( 特許権 ・ 営業権 ・ 商標権 ・ ソフトウエア等 )
B 繰延資産 ( 開業費 ・ 開発費等 )
C 棚卸資産 ( 貯蔵品 ・ 商品等 )
D 書画・骨董 ( ただし、複製のようなもので装飾的な目的にのみ使用しているものは
申告対象す )
E 生物 ( ただし、観賞用・興行用等の生物は申告対象です
)
「 2 」 資産の種類
償却資産は図表2のように区分されます。土地 ・ 家屋に申告という制度がないのは、不動産登記簿や
実地調査により市町村が独自で課税台帳を作るためです。
また、自動車税 ・ 軽自動車税の課税対象である自動車・軽自動車・小型特殊自動車・二輪の小型自動車
は二重j課税排除の見地から課税対象外となっています。
図表 2 種類別償却資産例
資産の種類 |
主な資産の例示 |
1 |
構築物 |
橋、貯水池、煙突、舗装路面、広告塔、井戸、門、塀、
庭園その他土地に定着する土木設備 |
2 |
機械及び装置 |
電気機械、化学機械、建設機械、印刷機械、
コンベアー、ホイスト、起重機その他物品の製造、
加工修理などに使用する機械及び装置、立体駐車場の機械装置など |
3 |
船舶 |
ボート、釣船、漁船、貨物船、客船など |
4 |
l航空機 |
飛行機、ヘリコプター、グライダーなど |
5 |
車輌及び運搬具 |
ホイールクレーン、フォークリフト、ロードローラ、
グレーダなどの特殊自動車
( 自動車税及び軽自動車税の課税対象は除く ) |
6 |
工具、器具及び備品 . |
机、椅子、ロッカー、金庫、パソコン、レジスター、
応接セット、テレビ、陳列ケース、測定工具、切削工具など |
「 3 」 申告の方法
( 1 ) 前年度 ( 平成20年度 ) に申告された方 ・・・ 増減申告
平成20年1月2日から21年1月1日現在までの間に増加 ・
減少のあった資産について申告しま
す。
( 2 ) 今年度初めて申告される方 ・・・ 全資産申告
平成21年1月1日現在所有する全資産について申告します。
※ 用紙としては、次の3種類が用意されています。
@ 償却資産申告書 ( 同時に償却資産課税台帳となります。 )
A 種類別明細書 ( 増加資産 ・ 全資産用 )
B 種類別明細書 ( 減少資産用 )
「 4 」 免税点
課税標準の合計額が150万円未満の場合は、課税されません。
「 5 」 納期
納期は4月、7月、12月及び翌年2月の4回です(具体的には市町村の条例によるため、これと異なる
納期となる場合があります)。
パッケージのデザイン料
当社は和菓子の製造小売業を営んでおりますが、この度、パッケージのデザインを変更するに
あたり、デザイン料を500万円支出しました。このデザイン料の税務上の取扱いを教えてください。
パッケージのデザイン料は、広告宣伝の一種とは考えず、パッケージの製作原価と考えられ、その
結果、商品の製造原価を構成します。
デザイン料は以下の、それぞれの区分に応じて取扱われます。
@ 意匠登録される場合
デザイン料として支出した金額は、意匠権の取得価額となりますので、償却費計算を
通じて製造原価に算入されます。
A 意匠登録されない場合
自己が便益を受けるために支出する費用でその支出の効果が1年以上に及ぶものは
繰延資産に該当し、製造予定期間に応じて製造原価に算入されます。
過去に遡及して扶養手当を返還した場合
当社は給与規程に従い扶養手当を支給しています。
この度、従業員に扶養手当の不正受給が発覚しましたので過去2年間に遡り、返還させることと
しました。これとあわせて過去2年分については扶養控除の適用も受けられないこととなりました。
この場合、所得税額の計算はどのようにすればよいのでしょうか?
過去の手当等を遡及して返還させた場合の返還金は、その返還させた日の属する年分の給与
から減算するのではなく、手当等が支給された年分の給与を遡及して訂正することとなります。
また、扶養控除についても各年分に遡及して再計算することとなります。
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