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会社が支払う保険--20年4月号 - 
  4月の税務と労務
国 税/3月分源泉所得税の納付           4月10日
国 税/2月決算法人の確定申告(法人税・所得税等)
                                4月30日
 
国 税/8月決算法人の中間申告           4月30日
国 税/5月、8月、11月決算法人の消費税の中間申告
        (年3回の場合)              4月30日

地方税/給与支払報告に係る給与所得者異動届の提出
                                4月15日

地方税/固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付
             4月中において市町村の条例で定める日

地方税/土地・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧または
      最初の納期限のいずれか遅い日以降の日まで

地方税/軽自動車税の納付
             4月中において市町村の条例で定める日

労 務/労働者死傷病報告(1月〜3月)       4月30日

 
 ワンポイント

 ・・・ 会計年度と暦年、事務年度 ・・・
 4月から新しい年度に入ります。4月〜3月の1年間は予算収支の期間として会計年度と呼ばれるのに対し、1〜12月
は暦年と呼ばれ、所得税の税率などは1月から見直されます。なお、国税の事務運営に関しては、定期異動が7月に
行われる関係からか、会計年度とは別に事務年度(7月〜6月)も採用されています。




 会社が支払う保険の税務上のポイント
 保険商品には、従来から様々なものがあり、税務上の取扱いも異なっています。そこで、最新の取扱いも含めて
主なものを以下に整理してみます。


 受取人を法人とする保険期間の短い定期保険

 
一般的には、会社契約で被保険者は社長のケースが多いようです。
 保険期間が5年とか10年というように短いと、その間に死亡又は高度障害状態にならない限り、いわゆる「掛け捨て」
の可能性が高いため、全額損金として取り扱われます。
 この定期保険のメリットは、低廉な保険料で高額の死亡保障が得られることにありますので、資金に余裕のない時期
のリスク対策に適しています。
 なお、保険期間の長い定期保険(長期平準定期保険)や、保険期間の経過に応じて保険金が増加していく定期保険
(逓増定期保険)の税務上の取扱いは、通常の定期保険と異なりますので、注意が必要です。


 長期平準定期保険

 定期保険のうち、特に保険期間の長い場合で、具体的には、@保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳を超え、
かつ、加入時の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超えるものをいいます。
 このような長期の保険料の中には、前払保険料の部分が大きいとされるところから、会計処理としては、保険期間の
前半6割の期間では、保険料の2分の1を損金に算入し、残額を前払保険料(資産計上)とします。そして、保険期間の
後半の4割の期間で資産計上した前払保険料を取り崩して、損金にしていくことになります(図表1)。



 逓増定期保険 (平成20年改正)

 平成20年より範囲が拡大し、「保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その
保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの」に改められています。そして、前払いとされる期間、
資産計上額等は図表2のようになっています。
 なお、により生命保険金が発生する場合には、多額の雑収入等が生ずるので、これを原資に死亡退職金等
を支給することになると思われます。
 この場合、適正な退職金であることの証明として、退職金規定等を整備しておく必要があります。


  
図表1  長期平準定期保険の会計処理
 < 保険形態 >    
    契約者     会社
    被保険者     社長(50歳)
    受取人     会社  
    保険種類     長期平準定期保険(50歳〜80歳)
    年払保険料     200万円
.     
 < 判定 >    
    @ 50歳 + 30年 = 80歳 > 70歳
         かつ    
    A 50歳 + 30年 × 2 = 110 > 105
        ∴ 長期平準定期保険に該当
     
 < 会計処理 >    
  (1) 前半の18年間    
      支払保険料  100万円   現金預金    200万円
      前払保険料  100万円  
.     
  (2) 後半の12年間    
      支払保険料  350万円   現金預金    200万円
    前払保険料  150万円


  図表2  前払期間、資産計上額等の表
                 区 分      前払期間    資産計上額
逓増定期保険 @保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの(A又はBに該当するものを除く)。 保険期間の開始の時から当該保険期間の60%に相当する期間 支払保険料の2分の1に相当する金額
A保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が95を超えるもの(Bに該当するものを除く)。 同上 支払保険料の3分の2に相当する金額
B保険期間満了の時における被保険者の年齢が80歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が120を超えるもの。 同上 支払保険料の4分の3に相当する金額


 小規模企業共済掛金の活用

 小規模企業共済とは、役員又は個人事業主が個人で加入する共済制度で、支払った掛金の全額が所得控除の対象
になります。
 法人が、掛金分に相当する額の役員報酬の増額(定期同額給与に注意)をした場合、その増額した役員報酬には、
所得税や住民税がかかりません。役員としては報酬を増額されても、個人の所得税や住民税への影響が全くないことに
なります。法人にとっては、増額分は会社の損金になります。


 中退共 ・ 特退共の加入

 一時的な資金負担を少なくし、従業員の退職金の積立を計画的に行っていくには、中退共(中小企業退職金共済
制度)や特退共(特定退職金共済制度)に加入することも有利です。
 掛金は、ともに全額損金になります。また、過去勤務期間の通算による掛金も全額損金になりますが、過去勤務期間
通算は、加入時しか申し込めません。

 注意すべき点として、従業員は原則、全員加入させなければなりません。ただし、事業主や役員は加入することが
できません。
 中退共と特退共の比較をまとめると下表のようになります。


  中退共と特退共の比較
        中 退 共         特 退 共
 国の助成          有           無
 (掛金の一部を国が助成)  
 加入できる企業の制限    資本金・従業員数等で   商工会議所や同業種団体の
       制限あり        会員事業所
 掛金の種類    5,000円〜30,000円     1,000円〜30,000円
       (16種類)         (30種類)


 総合福祉団体定期保険

 最低加入人数は10名で、原則として健康で正常に勤務している従業員全員を被保険者としなければなりません。
受け取った保険金は死亡退職金や弔慰金として遺族に支払うことができますので、会社の退職金規定などに応じて
保険金額を設定できます。
 保障のみを目的とし、団体を単位として取り扱う1年定期保険であるため保険料は割安です(1年ごとに収支計算を
行って剰余金が生じた時には配当金として還元されますので、実質的な負担はより軽減されます)。もちろん、会社の
負担した保険料は、全額損金に算入されます。
 契約手続は簡単で、契約者の一括告知だけで審査も不要です(ただし、従業員が各人被保険者となることの同意が
必要です)。




 賃借機械に係る修繕費と資本的支出の取扱い

   当社はA社より賃借している機械について修繕と資本的支出を行いました。この費用の税務上の取扱いは
      どのようになりますか。なお、この機械の賃貸借契約では、賃借期間の更新は可能で賃借中の諸費用の
      負担は借主負担となっています。また、この賃貸借は税務上の売買取引に該当しません。
   機械等の賃借をし、使用するために支出する据付費その他の費用は繰延資産に該当し、原則として、その
     機械等の耐用年数の10分の7に相当する年数で焼却を行います。しかし、賃借中の機械等についての修繕や
     資本的支出については、その賃貸借契約の内容によりそれぞれ次のように取り扱われます。

       1.  賃貸借契約等により、貸主が諸費用を負担することとなっている場合
           借主がこれらの費用を負担しても貸主にこの費用を求償することができるので、借主において費用
          とすることは当然認められません。

       2.  賃貸借契約等により、借主が諸費用を負担することとなっている場合
           借主にとっては自己所有の機械等に対してこれらの費用を支出した場合と同様に取り扱われます。
          従って修繕費に該当するものはその支出時の損金となり、資本的支出に該当するものは資産計上を
          行い、減価償却の方法により費用化を行います。

      償却を行う場合の耐用年数は、その機械等の耐用年数となりますが、賃借期間の定めがあるもの(賃借期間
     の更新ができないものに限ります)で、かつ、買取請求等をすることができないものにていては、その賃貸借
     期間を耐用年数として償却することができます。
      従ってご質問の場合、修繕費は支出時の損金として、資本的支出はその機械の耐用年数により償却する
     こととなります。


 青色申告が取り消される場合

   私は本年から青色申告の承認を受けていますが、どのような場合に青色申告の承認が取り消されるのか
     教えて下さい。
   次に揚げる事由に該当する場合には、税務署長はその事実があった年分に遡って承認を取り消すことが
     できるとなっています。

       1.  不動産所得、事業所得等についてそれぞれ帳簿書類を備え付け、その所得に係る日々の取引を
          正確、整然と、かつ、明瞭に記録し、帳簿書類の保存が、納税者の住所などに原則として7年間保存
          されることが必要ですが、それがなされていないとき

       2.  上記1の帳簿書類に取引の全体又は一部を隠蔽又は仮装して記載し、その他のその記載事項の
          全体について真実性を疑うに足りる相当の理由があるとき


 保証債務の履行による損失

   私は洋服の卸売業者ですが、取引先の借入金の保証人となっていました。この度、その取引先が倒産して
     行方不明になったために保証額の100万円を支払いました。この求償権の行使は到底不可能ですが、その
     損失を本年分の事業所得の必要経費に算入できますか。なお、その取引先とは10年来の取引で、取引高は
     売上高の50%程度を占めており、今後の受注増加も約束されていました。
   所得税法では、事業遂行上生じた保証債務の履行に伴う求償権が行使不能になった場合、必要経費として
     認められます。ご質問の場合は、保証人となった背景から、その保証債務は事業遂行上生じたものと考えられ
     ますので、本年分の必要経費に算入して差し支えないと思われます。



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