ワンポイント 耐用年数
平成19年度税制改正て゜は、減価償却制度の抜本的見直しが行われていますが、減価償却費の計算上必要となるのが耐用年数。この耐用年数は建物や器具・備品等の固定資産だけでなく、ソフトウエアや特許権、商標権、営業権などの無形固定資産のほか、牛馬や豚、果樹などの生物にも定められています。
★住宅税制の改正のポイント★
平成19年度税制改正では、住宅ローン控除に、新たに控除期間を15年間とする特例措置が講じられるとともに、住宅バリアフリー改修促進税制が創設されています。以下、要点を説明します。
住宅ローン控除の控除額の特例の創設
住宅ローン控除は所得税額を限度とするため、国から地方への税源移譲に伴う税率構造の見直しの結果、中低所得者の所得税が、減ったことにより、住宅ローン控除を中低所得者層が利用する場合の減税額が従来に比べて減少することとなりました。
このため、住宅を取得等して平成19年及び20年に居住の用に供する場合について、控除率を引き下げた上で、控除期間を15年に延長する特例が創設されています。
従来の住宅ローン控除との選択適用とされますが、この特例による控除期間、住宅借入金等の年末残高限度額及び控除率は、図表1のとおりです。
なお、どちらが有利ということではなく、どちらが現在の所得税の状況に適合しているかで判断することになると思われます。
図表1 住宅ローン控除制度の比較(経済産業省資料)
従来の住宅ローン減税
<平成19年居住分>最高控除額 200万円 <平成20年度居住分>最高控除額 160万円
ローン残高
〜2,500万円 |
1〜6年目 |
1.0% |
7〜10年目 |
0.5% |
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ローン残高
〜2,000万円 |
1〜6年目 |
1.0% |
7〜10年目 |
0.5% |
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10年目
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10年目
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単位:万円 単位:万円
税源移譲に伴う効果確保のための特例措置
<平成19年居住分>最高控除額 200万円 <平成20年度居住分>最高控除額 160万円
ローン残高
〜2,500万円 |
1〜10年目 |
1.0% |
11〜15年目 |
0.5% |
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ローン残高
〜2,000万円 |
1〜10年目 |
1.0% |
11〜15年目 |
0.5% |
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15年目
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15年目
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単位:万円 単位:万円
住宅バリアフリー改修促進税制の創設
1 バリアフリー改修工事に係る所得税額控除制度の創設
満50歳以上など一定の要件を満たす居住者(※1)が、自己の居住の用に供する家屋について一定のパリアフリー改修工事(※2)を含む増改築工事を行った場合、その工事費用に充てるために借り入れた住宅ローンについて、一千万円を限度としてその住宅ローン残高の一定割合を5年間に渡り所得税の額から控除する制度が創設されました。
この制度は、増改築当に係る住宅ローン控除との選択適用とされ、控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率は、図表2のとおりです。
※1 一定の要件を満たす居住者
ア 50歳以上の者
イ 介護保険料の要介護・要支援の認定を売れている者
ウ 障害者である者
エ 右記イもしくはウに該当する者または65歳以上の者いずれかに同居している者
※2 一定のバリアフリー改修工事
一定のバリアフリー改修工事とは、次に該当する工事で、その工事費用(補助金等をもって充てる部分を除きます)の合計額が
30万円を超えるものをいいます。
ア 廊下の拡幅
イ 階段の勾配の緩和
ウ 浴室改良
エ 便所改良
オ 手すりの設置
カ 屋内の段差の解消
キ 引き戸への取替工事
ク 床表面の滑り止め化
なお、適用対象となる住宅借入金等は、償還期間5年以上の一定の借入金か死亡時一時償還に係る借入金に限られます。
居住用に
供する時期 |
控除期間 |
住宅借入金等の
年末残高 |
控除率 |
平成19年4月1日
から平成20年12月
31日まで |
5年間 |
1,000万円以下の部分 |
イ 一定のバリアフリー改修工事に係る工事費用相当部分
(200万円を限度)・・・2%
ロ イ以外の工事費用相当部分・・・1% |
2 増改築等に係る住宅ローン控除の適用対象へのバリアフリー改修工事の追加
増改築当に係る住宅ローン控除は、大規模修繕等に該当に該当しない場合には対象外とされていましたが、平成19年4月1日以後に居住の用に供する家屋から、大規模な修繕や模様替えに至らない工事であっても、一定のバリアフリー改修工事(1と同じ)を行った場合には、控除対象となります。
3 固定資産税の減額
改修工事が完了した翌年度分の住宅に係る固定資産税の額が三分の一減額されます(平成19年4月1日から22年3月31日までの3年間の措置)。
不動産売買契約解除に伴う更正の請求
私は平成17年12月にA社に土地を売却し譲渡所得の申告・納税をしましたが、A社が代金の支払をしないため、平成19年2月に債務不履行により契約を解除しました。この場合、平成17年分の申告・納税を取り消す手続ができるのでしょうか?
個人が過去の年分において課税所得の対象とされた各種所得の金額の基礎となった事実行為のうち、その事実行為が取り消されたことにより生じた損失は次のとおり取扱われます。
1 事業所得・事業的規模の不動産所得・山林所得
過去の年分に遡及せず、損失の生じた日の属する年分の必要経費とそれます。
2 前記1以外の所得
過去の年分に遡及して訂正します。この場合、各種所得金額の計算の基礎となった収入金額等はなかったものとみなして所得計算を行い、損失が生じた日の翌日から2ヶ月以内に更正の請求をすることとなります。
したがって、ご質問の場合は上記2に該当しますので譲渡所得の金額の基礎となった譲渡代金はなかったものとして、契約解除した翌日から2ヶ月以内に更正の請求をすることができます。
ちなみに、法人が当該事業年度前の各事業年度において益金の額に算入した資産の譲渡についての契約を解除した場合には、の解除によって生じた損失は、その契約解除の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入され、更正の請求をすることはできません。
貸ビル立替期間中の仮店舗の無償貸与
当社は貸ビルの立替えに際して、完成までの間、仮店舗を建て賃借人に無償で貸与しようと思いますが、税務上何か問題はありますか?また、この仮店舗の償却費や新ビル完成後の仮店舗除却損、取壊費用は、新ビルの取得価額に含めることとなるでしょうか?
仮店舗の無償貸与を移転費用に代わるものとした場合は、その収入すべき賃貸料相当額と、支払うべき移転費用は相殺関係にあるものと解され、法人税の課税関係は生じません。
また、仮店舗の償却費、除却損、取壊費用等は新ビル建設のために直接必要なとは認められず、本来の業務遂行上生じた費用と考えられますので、新ビルの取得価額に含める必要はありません。
未分割財産から生ずる所得
父の死亡により、貸アパートを母、兄と私の三人で共同相続しましたが、遺産分割協議中です。この不動産から生ずる所得は母の名義の預金口座で管理していますが、その所得全額を母の所得として申告するのでしょうか?
共同相続財産が未分割である場合のその相続財産は、各共同相続人に属するものと解されています。従って、その相続分に応じて帰属し、各共同相続人は法定相続分に応じて申告することとなります。
たとえ、特定の者がその所得管理している場合であっても、その特定の者だけにその所得が帰属するものとして、全額をその人の所得として申告することはできません。
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