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税務調査のポイント--17年10月号 - 
10月の税務と労務
国 税  9月分源泉所得税の納付                10月11日
国 税  特別農業所得者への予定納税基準額等の通知  10月17日
国 税  8月決算法人の確定申告(法人税・消費税等)    10月31日
国 税  2月決算法人の中間申告                10月31日
国 税  11月、2月、5月決算法人の
              消費税等の中間申告(年3回の場合) 10月31日
地方税  個人の道府県民税及び市町村民税の第3期分納付
                            市町村の条例で定める日
労 務  労働者死傷病報告(7月〜9月分)           10月31日
      労災の年金受給者の定期報告
                       (7月〜12月生まれ)   10月31日
 ワンポイント

不服申し立てと訴訟

 追徴課税など税務署の処分に不服があるときに、国税不服審判所に処分の取消しや変更を求め審査請求するのが「不服申し立て」。これに対し裁判所に判断を求めるのが、「訴訟」。平成16年度は不服申し立てのうち14.6%で何らかの形で納税者の主張が通り、訴訟のうち11.9%で納税者が勝訴しています



税務調査のポイント

  秋は税務調査のシーズン

   秋は税務調査の最も多いシーズンです。


  そこで、税務調査のポイントを整理してみます



 税務調査の種類

 税務調査は大体、図表1のように区別されます。

@ 強制捜査

 計画的で悪質な脱税犯について、任意の調査では適正な課税が実現できないと判断される場合には、裁判所の許可状を得て行われる調査です。国税犯則取締法による強制力を持っており、通常「査察」(マルサ)と呼ばれ、国税局が担当し、通告処分または告発を最終目的とし、臨検、捜査、差押え等の権限を認められています。

A 任意調査

 @に対する言葉で、一般の税務調査をいいます。脱税犯に対する調査と異なり、適正・公平な課税のために行われるものですから、質問検査権として認められる範囲において納税者の同意を得て行われるものです。ただし、正当な理由もなく調査拒否などを行うと罰則が適用されますので、「間接強制を伴う任意調査」といわれています。

B 準備調査

 実地調査(臨場調査)着手前の準備的な調査で納税者から提出された確定申告書や蓄積した資料情報などをもとに行います。納税者の過去の税歴(申告漏れや滞納がなかったか)、経営者のデータ、申告書における特異な科目や金額、比率等の計数などが、分析、検討され、どこに調査のポイントを置くか絞り込まれます。

C 実地調査

 納税者の事務所や店舗などに出向いて行う調査で、一般の税務調査は通常この実地調査を指しています。この中に、次の「現況調査」、「反面調査」等が含まれます。

D 現況調査

 納税者に対する事前通知が無く行われる税務調査で、納税者のナマの姿を見ることを目的としています。

E 反面調査

 納税者自身の調査だけでは不審点が解明できない場合、あるいは納税者が調査に素直に応じない場合などに認められている取引先や銀行などへの補完的調査をいいます。

図表1 税務調査の種類



 最近の税務調査のポイント

 主要な勘定科目の税務調査のポイントを示すと図表2のようになりますが、最近の傾向として次の点があげられます。

@ 組織図の呈示を求められ、担当者に直接確認することが多くなっていますので、責任担当を明確にし、証拠資料を整備しておく必要があります。

A 消費税、特に原則課税については、収入側の課税、非課税、不課税の区別、支出側の課仕入れに誤りがないかどうかの確認が重要になってきています。

B 経営者の特殊関係使用人については、役員でなくてもその給与が他の使用人と比べて不相当に高額でないかのチェックも行われます。


 調査への対応

@ 調査日は変更できる

 任意調査はあくまでも行政のレベルのものですから、調査に当たってはできる限り納税者の事情が考慮されるのが当然です。
 したがって、どうしても当日調査に応じることができない正当な理由(冠婚葬祭、重要な商談等)があれば、延期の申出をするとよいでしょう。

A 調査理由を聞く

 税務調査は、申告の適正性を確認するためのものですから、通常、調査理由を教えてもらえます。
 調査理由(売上減少、外注費急増等)を確認し、税務署の抱いている疑問点に誠意をもって答えることが調査を早く終わらせるコツといえます。

B 金庫等の調査

 任意の調査の場合、納税者の同意なく机や金庫の中を調べることはできません。しかし、やましい点がなければ、拒否せずに見せた方が信頼関係が生まれ、調査がスムーズに進むことになると思われます。

C 昼食の対応

 意外と気になる点ですが、税務署員の場合、納税者から接待を受けると収賄罪に問われるおそれがあります。
 そこで、出前を勝手に頼んで強要したりすることのないようにしたいものです。

図表2 勘定科目別税務調査のポイント(抜粋)
勘定科目  税務調査のポイン 日頃の対応
現金 ・現金保有高と金銭出納帳の残高の突合
・一括の現金売上はその証拠資料の保管状況をチェックされる
・金種票・責任者の確認印・個人と会社の区別
・仮払金の積算方式を確立・レシート等の保存整理
預金 ・銀行残高証明書の添付との突合
・借入金が担保と不釣合の場合、その理由(簿外資産の有無等)がチェックされる
・領収書等の保存
・当座勘定調整表の作成
たな卸資産 ・原始記録のチェック ・たな卸表の保存
売上 ・締後分の計上・請求書との突合
・売上高の計上時期が適切か・取引相手との金額照合
・売掛金残高照合表
・領収書に一連の番号をつける
仕入 ・仕入高の月別比較、前年同月比較
・仕入割戻しの検討  ・商品受払簿のチェック
・移動が著しい場合、内容の確認
外注加工費 ・領収書の真実性のチェック
・請求書、出面帳等のチェック
・出面帳の整備
役員給与 ・議事録のチェック
・役員退職金の相当額のチェック
・議事録の整備
・計算根拠の保存
交際費等 ・飲食関係の領収書で高額なものは相手先と内容がチェックされる
・他の科目に含まれていないか
・領収書に目的、人数等を書いておく
・交際費等取扱規程
保険料 ・積立金になるものがないか ・契約書の整理と確認
福利厚生費 ・現物給与となるものがないか  
租税公課 ・罰科金の処理
・消費税の処理は適切か
・損金にならない項目のチェック
・計算明細書の保存
消耗品費 ・10万円以上のものが含まれていないか  
貸倒損失 ・基本通達の条件に合致しているか ・根拠資料の保存



自動車事故による損害賠償金の取扱い

同族会社の役員甲は、業務中に自動車を運転していて人身事故を起こしてしまいました。甲には重大な過失はないものの一定の過失は認められ、損害賠償金を負担する義務がありますが、この損害賠償金を当社で負担することとなりました。まだ、被害者との示談が成立しておらず、損害賠償額は決定していませんが、まず、被害者に対して治療費の内金を支払うこととしました。この場合の当社が負担する賠償金等の税務上の取扱いはどのようになるのでしょうか?

法人の役員又は使用人の行為等によって他人に与えた損害について法人がその損害賠償金を支出した場合に、その行為等が法人の業務の遂行に関連するものであり、かつ、故意又は重過失に基づかないものであるときは、その支出した損害賠償金の額は、給与以外の損金の額に算入されることとなります。
 なお、法人が支払う損害賠償金の額の損金算入時期は、原則としてその損害賠償金の額が確定した日となるのですが、自動車による人身事故の場合は、示談等による損害賠償金の額の確定までに長期間を要することが多いことから、損害賠償金の一部にあたるものとされる治療費や休業補償費等を内払いとして支出した場合には、たとえ、それが示談等による損害賠償金の額に算入することができます。
 この場合、損金の額に算入した金額に見合う保険金額を益金の額に算入する必要があります。
 従いまして、貴社の場合は、被害者に対して支出した治療費の内金は、損金の額の算入し、受け取る見込みのある保険金があるときは、その支払額に見合う額を益金の額に算入することとなります。



使用貸借に係る貸宅地の評価

 子供が親の所有する土地を無償で借りて、居住用家屋を建て、そこに住むということはよくあります。ここでは、そのような状態で、親からの相続が発生した場合のその土地の評価について考えてみます。
 通常、相続財産の中に、他人に建物等の所有を目的として賃貸している土地がある場合には、その土地は貸宅地として次の算式で評価額が算定されます。

貸宅地の価額=自用地価額×(1−借地権割合)
 これにより、相続財産を減少させる効果があります。
 しかし、今回のケースでは、土地を使用賃借としているので、この土地は自用地として評価することとなりますので注意が必要です。
 相続対策として土地を他人に使用させる場合、一定の賃料を収受する必要があるところがポイントです。





商品を下取りしたときの消費税の取扱い

 消費者に商品の販売をした際、消費者がその商品購入時まで使用してきた物品を販売業者が下取りをする場合がよくあります。
 この場合の消費税法の取扱いは、商品の売上(課税資産であれば課税売上)と下取りによる商品の仕入(課税資産であれば課税仕入)の二つの取引に区分することとなっています。
 つまり、下取りは、差引後の純額で認識する値引きとは取扱いが異なり、総額(両建て)で認識しなければならないということです。
 これは当事者が簡易課税制度を選択している場合、課税売上高に影響するため要注意です。
 なお、取引相手が課税事業者か免税事業者かどうかは、当事者の消費税法上の取扱いには影響しないという点にも留意が必要です。

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