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生前贈与 Q&A--16年10月号 -2004年9月29日 

10月の税務と労務

国税 9月分源泉所得税の納付               10月12日   地方税 個人の道府県民税及び市町村民税の
                                                   第3期分納付 市町村村の条例で定める日
国税 特別農業所得者への予定納税基準額等の通知 10月15日

国税 8月決算法人の確定申告
            (法人税・消費税等)           11月1日    労 務 労働者死傷病報告(7月〜9月分) 11月1日
                                                   労災の年金受給者の定期報告
国税 2月決算法人の中間申告                11月1日                (7月〜12月生まれ)  11月1日

国税 11月、2月、5月決算法人の消費税等の中間申告
                         (年3回の場合) 11月1日

ワンポイント

厚生年金保険料率の引き上げ
 今月から厚生年金保険の保険料率が、従来の13.58%から13.934%(これを労使折半)になります。改正された年金法によると、保険料率は、今後、毎年9月に0.354%ずつ引き上げられ、平成29年以後は18.3%に固定されることになっています。なお、国民年金保険料は、来年4月から引き上げられる予定です。



生前贈与 Q&A

 生前贈与は、あげたい人に、あげたいものを確実に渡せるほか、将来の相続税の節税に役立つなどのメリットが多くあります。
平成15年度から相続時精算課税制度が創設されているなど注意すべきポイントも多いので、以下、要点を整理してみます。

1 複数人からの贈与

Q 父母からそれぞれ百万円ずつ金銭の贈与を受けた場合、贈与税はかかりますか。
A 贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産を「財産評価基本通達」に従って評価し、課税価格の合計額から110万円の基礎控除額を控除した残額に贈与税率を適用して税額を算出し、翌年の2月1日から3月15日までに申告納付します。
 複数人から贈与を受けても、別枠でなく合算しますので、質問の場合、(200万円−110万円)×10%=9万円の贈与税がかかります。(図表1参照)

2 節税分岐点

Q 財産が多い場合、年間110万円の贈与ではあまり相続税の節税効果が期待できないので、相当の贈与税を覚悟して生前贈与を進めていきたいのですが、目安となるものがありますか。
A 贈与税率は、相続税率よりも相対的に高くなっていますが、贈与額をコントロールすることにより相続税負担よりも低く生前贈与できます。図表2を参考にして相続税の試算をした後、贈与財産の金額を検討するのがよいでしょう。
 なお、生前贈与を受けた後、3年以内に贈与者が亡くなった場合には、その贈与された価額を相続税の課税価格に加算し、支払った贈与税を控除して再計算されます。

図表1◆贈与税の速算表
 基礎控除後の課税価格     税率         控除額     
200万円 以下 10% 0万円
300万円 以下 15% 10万円
400万円 以下 20% 25万円
600万円 以下 30% 65万円
1,000万円 以下 40% 125万円
1,000円 超 50% 225万円


図表2◆贈与税と相続税の税率比較表
      贈 与 税             税率           相 続 税           
          200万円以下の部分 10%            1,000万円以下の部分
 200万円超   300万円以下の部分  15%  1,000万円超   3,000万円以下の部分 
300万円超   400万円以下の部分 20% 3,000万円超   5,000万円以下の部分
400万円超   600万円以下の部分 30% 5,000万円超      1億円以下の部分
600万円超  1,000万円以下の部分 40% 1億円超         3億円以下の部分
1,000万円超の部分           50% 3億円超の部分              


3 相続時精算課税制度

Q 子供の夢の実現のために、事業資金として、2,500万円を資金提供したいと考えていますが、良い方法はありますか。
A 事業資金には必要とするタイミングがあるので、平成15年度税制改正で創設された相続時精算課税制度が適しています。この制度を利用すると、相続時精算を前提として2,500万円まで無税で生前贈与ができます。
 ポイントは次のとおりです。
@ 対象者 贈与する親は、その年の1月1日において65歳以上。贈与を受ける子供は、20歳以上の推定相続人であること。
A 手続き 贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、所轄税務署長に本制度を選択する旨の届出及び一定の書類の提出が必要。一度届出をすると相続時まで本制度の適用が継続され、取り下げはできません。
 なお、相続税がかからないケースでは、この制度を使って相続を早める効果があります。

4 贈与税の配偶者控除

Q 結婚して20年以上経過した妻に自宅を贈与したいと考えていますが、注意すべき点を教えて下さい。
A 配偶者から居住用不動産の贈与を受けた場合は、基礎控除のほかに2,000万円が控除されます。
 適用要件は次のとおり。
@ 婚姻期間が20年以上の配偶者からの贈与であること。
A 居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること。
B 贈与を受けた年の翌年3月15日までに受贈者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込であること。
C 過去に、今回の贈与者からの贈与について、この特例の適用を受けていないこと。

5 親族間の借入れ

Q 贈与とは別に、資金が不足しているので、親から借りようと思っています。贈与とみなされないためにはどうしたらよいですか。
A 他人からの借入れと同様に契約書を作成し、貸付期間、貸付利息、返済方法を定め、銀行口座を通して客観的証拠を残すことが大切です。なお、借りる人の返済能力を超えていたり、実際に返済している実績を証明できないと贈与となりますので物的証拠を残しましょう。整理すると図表3のようになりますので、親族間の借入れの際には留意して下さい。





事前照会制度

Q 国税に関して、事前に取引等に関する税務上の取扱いに関する照会制度があると聞きましたが、
  どのような制度なのでしょうか。
A 国税局に対して申告期限等の前に「具体的な取引等に係る税務上の取扱い」に関して、事前照会(文書による回答を求める旨の申出)をした場合、一定要件の下に、文書により回答が行われます。
 この文書回答手続の対象となるのは、自らが実際に行う(または行った)取引等についての国税に関する法令の解釈・適用その他の税務上の取扱いに関する事前照会であって、これまでに法令解釈通達などによって、その取扱いが明らかにされていないものです。
 ただし、次のようなものは、文書回答手続の対象とはなりません。
@ 取引等の事実関係等に、仮定や選択の余地のある部分があるもの
A 法人税法上の役員の過大報酬等の判定や個々の相続財産の評価に関するものなど、個々の財産の評価や取引等の価額の算定・妥当性の判断に関するもの
B 取引等の主要な目的が国税の軽減等であるものや通常の経済取引等としては不合理であると認められるもの
 なお、文書回答が行われた場合には、他の納税者の予測可能性の向上に役立てるために、その照会及び回答の内容、照会者名等が公表されることになっており、公表に同意(公表について関係者の同意を得ることも含みます)する必要があります。
 文書回答手続による事前照会を行う場合には、税務署等にある「取引等に係る税務上の取扱いに関する事前照会」の用紙に必要事項を記入して、必要な関係資料を添付して納税地を所轄する税務署の担当部門に提出することになります。


建築中の家屋の評価
 相続税の課税価格の計算に当たって家屋の評価については倍率方式により行うことになっています。倍率方式とは、固定資産税の評価額に一定の倍率を乗じて評価額を算出する方法で、家屋の倍率は1.0倍です。
 しかしながら、家屋の建築途中に相続が発生した場合には、その家屋には、固定資産税の評価額が付されていません。そこで、建築途中の家屋の価額については、その家屋の費用現価の70%に相当する金額により評価することになっています。
 費用現価の額とは、課税時期までに建物に投下されて建築費用の額を課税時期の価額に引き直した額の合計額のことをいいます。
 なお、建築開始から課税時期までの期間が短く、建築費用にほとんど変動がないような場合には、課税時期までに投下された建築費用の額を費用現価としてもよいものと考えられます。


税金一口メモ

贈与の時期
 財産の贈与を受けると贈与税の課税対象とります。贈与税は、原則として1年間に受けたすべての贈与をベースに計算することになり、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に、納税地の所轄税務署に申告をすることになります。
 贈与財産の取得時期によって、課税価格や申告時期が決まることになりますが、贈与の時期は、書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、書面によらないものについてはその履行の時、とされています。
 ただし、不動産のように所有権移転の登記の目的となる財産については、その贈与の時期が明確でないときは、特に反証の
ない限り、その登記のあった時に贈与があったものとして取り扱うものとされています。

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