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平成16年8月号・・・最近の税務調査の傾向と留意点 -2004年8月10日 
平成16年8月号

ワンポイント
酒類総合研究所
酒類醸造に関する研究や酒造技術者を養成する機関。明治37年に大蔵省醸造試験所として東京都北区に設置されて以来、今年で100年を迎えています。平成7年に現在の広島県東広島市に移転するとともに名称を醸造研究所に変更、平成13年からは独立行政法人酒類総合研究所として新たにスタートしています。

8月の税務と労務
国税 / 7月分源泉所得税の納付 -8月10日
国税 / 6月決算法人の確定申告
(法人税・消費税)
-8月31日
国税 / 12月決算法人の中間申告 -8月31日
国税 / 9月、12月、3月決算法人の
消費税等の中間申告
(年3回の場合)
-8月31日
国税 / 個人事業者の消費税等の中間申告 -8月31日
地方税 / 個人事業者第1期分の納付
都道府県の条例で定める日
 
地方税 / 個人住民税第2期分の納付
都道府県の条例で定める日
 
労 務 / 労働保険料第2期分の納付
(労働保険事務組合委託の
場合は9月14日)
-8月31日

最近の税務調査の傾向と留意点

毎年八月ともなると税務調査が本格化する時期となります。そこで、税務調査を無難に乗り切るために最近の税務調査の傾向を確認し、経理上の不備等の指摘を受けないようにするためのポイントを整理してみます。
税務調査は、法人税が中心となることがほとんどですが、法人税と消費税の同時調査は当然として、源泉所得税、印紙税も必ず調査項目になっているので以下の4つに区分して説明します。

< 法人税の調査項目と留意点 >--------

1.売上構造関連
売上、仕入、外注費、たな卸資産等会社の根本的な利益構造に関係する項目が最初の対象となります。
特に決算期末の前後は、重点的に納品書・請求書・領収書・補助元帳・総勘定元帳などを細かくチェックしていきます。たとえば、決算期末直前に仕入れたり外注費として計上したものが、いつの売上になっているか、あるいは。たな卸資産に計上されているか、というように流れを確認していきます。
この趣旨は、売上とこれに対する売上原価とが事業年度の中で収益費用対応の原則に基づき対応している必要があるので、この確認を行うわけです。

2.人件費連
まず、役員報酬については、期中で増額している場合には、議事録の提示が求められます。
また、非常勤取締役の監査役の職務の内容等を質問されることがあります。これは、株式会社だと取締役三名、監査役一名が商法上必要な人数とされていますが、同族会社ですと未成年の学生や日本に住んでいないなどのケースが希にあるためです。
社員については、タイムカード、給与台帳のほかに組織図や従業員名簿、座席表の提示が求められることが増えています。少なくとも期末現在の状況を説明できるようにしておく必要があります。
架空人件費がないか、支払金額が妥当かという観念から確認することが多いようです。そこで、通勤交通費が出ていない、社会保険に加入していない、毎月定額の支払といったケースでは、住所や名前をメモしていって実在するかを調べることもあります。

3.一般経費
領収書つづり、総勘定元帳を併用して概観し、金額が比較的多く内容の不明確なものについて付箋を貼っていきながら、担当者に質問をして確認していくことが多いようです。具体的には、交際費のなかに個人的な費用が入っていないか、福利厚生費、会議費、諸会費等のなかに交際費に該当するものがないか等の観点から調べられます。特にデパートの領収書やカードの支払等については、その内容を明らかにしておく必要があります。
消耗品費や修繕費については、資産計上すべきものがないかという観点で調べられます。
また、社員旅行等があった場合、参加メンバー等も確認されますので、適正な処理になっているかいま一度チェックしておきましょう。

4.貸倒損失
一般に貸倒れと思っても、税法上の貸倒れの用件は厳しいものがあるので、要件に該当するかどうかの確認がされます。裁判所や弁護士からの通知、取引事績等文書面の証拠を見直しておきましょう。

5.特別損失
特に固定資産の除却損については、設備等を廃棄処分した事実のわかる資料(廃棄証明)を保存しておきましょう。


< 消費税の調査項目と留意点 >--------

消費税はある程度の売上規模であれば必ず相応に納税が発生し、原則課税ではミスが生じやすいため調査内容も細かくなってきています。

1.原則課税
税務調査ではまず、収入側の課税・免税・非課税・課税対象外の区分が適切に行われているか否かを検討します。
一般的には雑収入の区分で、その会社の消費税対応レベルがほぼわかるようです。
経費に係る消費税の処理については、課税対象外、非課税のものを税額控除していないか、というように基本的なところを細かく調べられます。
具体的には、交際費や福利厚生費のなかの香典・見舞金・祝い金、商品券などが課税仕入れになっていないかなどが調べられます。
そのほか、海外取引がある場合には、海外出張旅費や現地経費が課税しいれになっていないかなども細かくチェックされます。

1.簡易課税
なんといっても、業種区分(下表参照)が適切かどうかです。事前に十分、収入の内容を検討して雑収入、固定資産売却高も含めて整理しましょう。

事業区分 みなし仕入れ率 該 当 す る 事 業
第1種事業 90% 卸売業→他の者から購入した商品を、その性質および形状を変更しないで他の事業者(法人、個人事業者)に販売する事業。
第2種事業 80% 小売業→他の者から購入した商品を、その性質および形状を変更しないで販売する事業で、第1種事業者以外のもの(製造小売業は第3種)
第3種事業 70% 農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業→第1種、第2種事業に該当するものは除く。また、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供は第4種事業となる。
第4種事業 60% 第1種、第2種、第3種および第5種事業以外の事業(飲食店業、金融・保険業等)→事業用固定資産等の売却は第4種事業。
第5種事業 50% 不動産業、運輸・通信業、サービス業(飲食店業を除く)→第1種から第3種事業に該当するものを除く。
< 源泉所得税の調査項目と留意点 >--------

消費税と共に会社が赤字でも発生するものなので、念入りな調査となります。

1.給与関係
源泉徴収税額表の甲欄、乙欄の適用が適正に行われているか確認するため、アルバイトやパートが多い会社では、扶養控除申告書の提出の有無がチェックされます。これは、事実上、主たる給与だとしても、扶養控除申告書があって初めて税額の低い甲欄の適用ができるからです。乙欄で源泉徴収していれば問題ありません。

2.報酬関係
弁護士やデザイナーなどに支払う法主報酬・料金については、支払う側に源泉徴収義務があるので、単発の支払であっても、源泉徴収が必要となります。


< 印紙税の調査項目と留意点 >

税務調査の初期の段階で、印紙税のチェックを行うことが多いようです。あるべき契約書等の提示を求められるので、印紙が必要な文書か否か、消印はしてあるか、税額は正しいかを確認しておく必要があります。


弁護士等の報酬に対する源泉徴収

源泉徴収義務者が弁護士などに報酬を支払う場合には、所得税を源泉徴収する必要があります。
源泉徴収の対象となるのは、弁護士等の業務に対するもので、顧問報酬や成功報酬などのほか、謝金や調査費、日当、旅費などの名目で支払われるものも、すべて含まれます。ただし、会社などが、直接、ホテルや旅行会社に支払った旅費や宿泊費などは、源泉徴収の対象に含めなくてもよいことになっています。
報酬の金額の中に消費税等の額が含まれている場合には、原則として、その額を含めた金額を源泉徴収の対象としますが、請求書等において、報酬の金額と消費税等の金額が明確に区分されている場合には、その額を源泉徴収の対象にふくめなくてもよいことになっています。
源泉徴収額は、支払額の10%(同一人に対する一回の支払いが100万円を超える場合には、超える部分については20%)です。

★税金一口メモ★
事業用固定資産の売却
消費税で簡易課税制度を選択している場合には、第1種事業から第5種事業までの区分に応じたみなし仕入率を適用することになりますが、事業者が行う事業が第1種事業から第5種事業までのいずれの事業に該当するかの判定は、原則として、課税資産の譲渡等ごとに行うことになります。
ところで、事業者が事業用固定資産の売却を行った場合には、たとえ卸売業者や小売業者であったとしても、その売却は第4種事業(みなし仕入率60%)に該当することになりますので、注意する必要があります。
なお、2種類以上の事業を営む場合、いずれか1種類の事業の課税売上高が、総課税売上高の75%以上になるときは、その事業のみなし仕入率を全体に適用することができます。
 
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